フリーカルチャーが発展してくれればいいのに

Lockable2

コミッション

コミッションというものを受けて、拙作の続編を書きましたのでご報告させていただきます。
Lockable2/「ヒドロ」の小説 [pixiv]
随時コミッションは受け付けておりますので、是非よろしくお願いします。
今回はコミッション依頼者様にとても助けられました。子細なプロットと的確な資料なしに完成しなかったでしょう。
これを機会に自分もちゃんとしたプロットを書こうなと思いました。プロットは偉大です。

ライセンスについてあれこれ

ところでコミッションには「クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス」を採用している。ちなみにこのブログの記事はどれも「クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンス」だ。
SCP財団という、共同創作を行う同名のコミュニティサイトでも「クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承」が採用されている。誰も気にしていないだろうけど、Wikipediaも同じく「クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承」が採用されている。
これはつまり、適切なクレジットを表示して元の作品と同じライセンスの下に頒布するなら好き勝手にできることを意味する。
勝手にPDFにまとめて販売してもいい。ただ元から無料で公開されているもので、挿絵など付加価値もなく利益を得るとなると品性を疑う。いないだろうけど購入者に申し訳ない。
断りもせず別のサイトに転載してもいい。これはいい。使い慣れてしまったpixivにとりあえず投稿したけれどpixivはアカウントがないと成人向けの作品は読めない。
無断転載はよく話題になる。Buhitterだとかツイコミが記憶に新しい。ちなみにこれらはTwitterの利用規約に準じているから、無断転載とはいえ著作権の問題はクリアしている。
利益化された作品の無断転載は著作者の収入を直に奪うことになるからダメだ。これは分かりやすい。
じゃあはじめから無料で公開されている作品についてはどうなのか。これは著作者と作品が切り離されてしまうことが問題らしい。著作者人格権を守らなければならない。
ところがBuhitterツイコミはTwitter規約を守っているし著作者の紹介もある。それでも好意的に受け入れられなかった。
囚人のジレンマというゲームがある。心理学からそれを見てみると、人は「自分だけ損をして相手に得をさせることは望まない」らしい。心情的なものをどうこう説得するのは無理だ。まあメシウマ、シャーデンフロイデ、他人の不幸は蜜の味だ。
でもクリエイティブコモンズを使ってほしい。著作権を全て保持する版権二次創作には全く適用できないから、一時創作をする人に採用してほしい。
ライセンスには選択肢がある。クリエイティブコモンズとしては最も緩い「表示」ライセンスから最も厳しい「表示 - 非営利 - 改変禁止」ライセンスがある。
「表示 - 非営利 - 改変禁止」はトリミングも圧縮もできずそのままの掲載を余儀なくされるからアイコンにできないし、他の作品にリミックスされにくくなる。これなら、なんか自分の手から作品が転げ落ちたような感じもしないだろう。
もし自由主義がお好きならパブリックドメインを宣言してもいい。これは著作権を全て放棄することになる。日本だとパブリックドメインは日本国の法に認知されていないから難しいけれど。
TPPによって日本で著作権が失われるまで著作者死没後50年から70年になる。非親告罪にもなるらしい。これは見知った限りだと法として成立しそうだ。
これは誰が得をするのか。死後70年も販売されて読み継がれる作品なんて、国語の教科書に載るレベルの作家じゃないと無理だろう。
青空文庫にある著作権のない収録作品数は14611らしい。法律が施行されるまでの時間はあまり残されていないから、今のうちにできるところの掲載作業が進められているらしい。
創作物は人を動かせる。良い方向か悪い方向か知らないけど、触発されて作品を創ることはある。コピーライトに反するコピーレフトはそういうエコシステムを活発にすると信じている。

参考

「どんな心理が見えてくる?」
著作権「死後70年」延長報道…福井弁護士「作品散逸の恐れ」「海賊版対策こそ急務」|弁護士ドットコムニュース